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無庵詩集60

 別離  



ぼくたちは遠い街を思い浮かべていた

そこはいくつかの丘を越えたところにあった

そこは雲と雲の間から光さすところ

ぼくたちはどうして別れてしまったのか

ため息が灯りとなって陽となって通り過ぎてゆく

あまりに遠い道筋を転がるように通り過ぎて行った


風が引き裂いた

花たちが引き裂いた

草や木々が引き裂いた


ぼくは叫ぶ

海に向かって叫ぶ

空に向かって叫ぶ

叫ぶ

叫ぶ






 
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プロフィール

無庵

Author:無庵
忘れられた古代港がある。都から遠く離れしかも主要航路でなかった北四国側にあったこの港に、軍王、人麻呂、道真、崇徳院、西行、寂念など飛鳥、平安時代を代表する詩歌人が足跡を残す。しかも彼らにとっていずれも重要な意味を持つ作品を残している。坂出松山の津はまさに奇跡の港と言えよう。
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