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無庵詩集61 コサギの独り舞台

         コサギの独り舞台

       秋の夕焼けを映した静かな川面に

       一羽のコサギがエサを探している

          つついては駆け

         駆けてはつついている

          白い翼を大きく広げ

      まるで舞台の上で踊っているように見える

        時にたたずみ遠くを見つめている

 
          あゝ白いコサギの独り舞台

          風がやさしく川面を震わせ

          光の行列が静かに光り輝く

         コサギは疲れたのか首をすぼめ

             たたずむだけだ

            夕闇が迫ってくる

          夕景の雲たちはあくまで静かだ

               そうだ

              そうやって

           コサギは夕景の中の点になる

      ハタハタと二羽のコサギが回りながら川下に向かう 

          ほら  コサギが川面を滑って着水する 

           二羽のコサギは川面を旋回する
               
              たわむれながら 

         まるで蝶が舞うようにヒラヒラはたはた廻る 

       四羽の子ガモが横になり縦になり急流を滑っていく

          
           秋の空 雲たちの行列だ 秋の夕暮れ

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プロフィール

無庵

Author:無庵
忘れられた古代港がある。都から遠く離れしかも主要航路でなかった北四国側にあったこの港に、軍王、人麻呂、道真、崇徳院、西行、寂念など飛鳥、平安時代を代表する詩歌人が足跡を残す。しかも彼らにとっていずれも重要な意味を持つ作品を残している。坂出松山の津はまさに奇跡の港と言えよう。
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