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菅原道真詩集010 重陽侍宴,賦美景秋稼,應製

010 重陽侍宴,賦美景秋稼,應製
萬里如雲稼 
重陽就日晴
吹金風冷簸
滴玉露清瑩
靄靄皆和氣
離離半旅生
綺疇無數畝 
銅雀第三鳴
遠舉回頭望 
長期鼓腹聲
願因秋景美
將見海陵盈
万里(ばんり)雲の如くなる稼(にぎはひ) 
重陽(ちょうよう)日の晴るるにつく
金(きむ)を吹きて風冷(ひややか)に簸(ひ)る
滴玉(ぎょく)を滴(した)てて露(つゆ)清らかに瑩(かがや)く
靄靄(あいあい)たるは皆 和氣(わき)
離離(璃々)たるは半(なかば)旅生(りょせい)
綺疇(きちょう)無數(むすう)の畝(うね) 
銅雀(どうじゃく)第(てい)三鳴(さむめい)
遠く舉(あ)げて頭(かむべ)をめぐらして望む 
長く期す腹を鼓(つつみ)うつ聲を
願わくは秋の景(ひかり)の美(うるは)しきによりて
海陵(かいりょう)の盈(み)つることを見むことを

国中、万里の果て遠くまで秋の見事な収穫物がくものごとくみちみちている重陽(ちょうよう)は晴天である。金風即ち秋風がひんやりと吹きすぎて金粉をひるかと思われる(金紛とは西方秋の気を指す)
白露がさやかに清く輝いて玉を滴らすかと思われる。雲気がたなびき
稲穂が重げに実を垂れる。豊年の美しく彩られた田園。銅雀が三鳴すれば天下は豊年である。腹鼓をうって豊作と平和を祝福する。

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プロフィール

無庵

Author:無庵
忘れられた古代港がある。都から遠く離れしかも主要航路でなかった北四国側にあったこの港に、軍王、人麻呂、道真、崇徳院、西行、寂念など飛鳥、平安時代を代表する詩歌人が足跡を残す。しかも彼らにとっていずれも重要な意味を持つ作品を残している。坂出松山の津はまさに奇跡の港と言えよう。
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