(二〇)依羅娘子人麿と相別れたる歌
- 2023/02/19
- 15:40
(二〇)依羅娘子人麿と相別れたる歌
依羅娘子は父人麻呂の帰りをひたすら待ち続けていました。
そして父の死を知らされた娘は案内人と共に鴨山に駆けつけます。
娘は泣き崩れ、人麻呂の遺体に抱きつき
号泣する。
号泣する。
号泣する。
一方村人たちは旅人の遺体をどうするか相談していた。
江川は周辺の村人にとって生活用水であり遺体を川べりに埋めることは許されないことだった。
従って自分たちの墓地の近くに旅人の遺体を埋めることにしました。
号泣していた娘は
「どうか竹のいかだを組み父の遺体を乗せ川に流していただけませんでしょうか」とお願いしました。
「私は海の傍に住んおります。父は海にたどり着きます。そうすれば私はいつも父に手を合わすことができます」と訴えたのです。
村人たちは娘の頼みを受け入れいかだを組み遺体を乗せました。
娘は周辺に咲いていた草花を父の遺体の周りに飾りつけ川に流しました。
草花に飾られた人麻呂のいかだは半回転して江川の本流に勢いよく流れ去っていきました。
柿本朝臣人麿死時、妻依羅娘子作謌二首
224番歌
今日(けふ)今日(けふ)と 吾(わ)が待(ま)つ君(きみ)は
石水(いしかは)[川]の 貝(かひ)に[一に云(い)ふ 谷(たに)に]交(まじ)りて
有(あ)りと言(い)はずやも
今日か今日かと 私がお待ちしている君は
石川の貝に(「谷に」ともいう)まじって
いると言うではありませんか
225番歌
直(ただ)の相(あ)[逢]ひは 相(あ)[逢]ひかつましじ
石川(いしかは)に 雲(くも)立(た)ち渡(わた)れ
見(み)つつ偲(しの)はむ
直接お逢いすることは もうできないでしょう。
どうか石川に 雲が一面に立っておくれ
それを見つつあなたのことを偲びましょう。
音羽山
津の目山
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